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金融事象から経済を見る簡単なモデル化。昔の法定準備金の話。そして、在庫の増加と株価の増加を結び付ける「いつもの議論」へ。無意識の影響か、なぜか、気になったので自分の中で再び整理した。 (JRF 6511)
JRF 2024年11月30日 (土)
○ 2024-11-29T13:49:40Z
金融事象から経済を見た場合、銀行 X が、A に貸し出した金で Z から仕入れしたとき、それが X に預金されれば、次の日には、それを貸し出せる。それを貸し出した者 B が、A から全額買えば、A はその金でまた Z から仕入れでき、Z は X に預金ができる。こうしていくと次々に経済を成長させることができる。この図が最初のものである。
JRF2024/11/308075
ここでは給与を考えてなかったが、給与を考えると、給与は消費と預金だけに分けられるとする。銀行に預金はいくのでそれは経済に戻される。消費も経済に戻る。給与と消費の差額は、銀行によって経済に戻る。よって、最初の図から何の変更もない。
銀行は利子を取るとする。しかし、利子は銀行員の給与に化けるとする。ここでも給与は消費と預金だけに分けられるとする。そのうち、消費は経済に戻るからよいとする。次に預金は 1/4 なされるとする。しかし、1/4 分は再び給与になるとする、それが無限に続くとすると、結局、等比級数の和を計算することになり、結局全額が消費になるとして良い。結局最初の図に戻る。
JRF2024/11/308522
すると経済は無限に成長できるようになるが、これを制限するのが、法定準備金の制度である。再貸出を制限するのだ。これで昔はコントロールされていた。
それが、90年代の BIS 規制など、金融の国際化を通じて、法定準備金の制度は有名無実となり、債券による秩序が導入された。
その秩序を考えたのが次になる。
まず、労働の結果などにより、売れないものが生じうる。それは、成長すべき資金によって穴埋めされることによりまかなわれる。
JRF2024/11/302355
研究も在庫になるとして…。確実に捌ける在庫が増えることが経済成長で、しかし、それを債券でまかなおうとすると、投資が失敗したとき、その穴埋め合わせに成長分を使わないといけないので、投資が慎重になり、成長が遅くなる。株式ならば損失処理が簡単なので、成長が速くなる。
JRF2024/11/304907
[cocolog:93150989] や [cocolog:88932382] で論じたが、私は>債権では社会の富は増えない。株式のみ社会の富を増やせる。<([cocolog:75599118])…と考えているが、一方、マルクス経済学の剰余価値に関する議論で、在庫(研究費も含む)の増加が別に社会の富を増やすという議論が出てきた。この、株価の増価と在庫の増加が、(銀行の信用創造や債券価格の調整などが間にはさまった上で、) 安定した関係にあることが、安定した経済成長が可能になる条件ではないかと考えたことがあった。(マルクスの剰余価値をすべて労働者のものとする議論は支持しない。)
JRF2024/11/304322
現代の価値観では、「最初の図」より、株価の増価と在庫の増加と関連しているほうがよい経済なのであろうと思われる。
JRF2024/11/301488
(グローバル共有メモや Twitter (X) にも書いた。)
JRF2024/11/304188