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cocolog:95227325

AI と資本主義に関する考察。法人税や(社会の)最適化に関して。資本主義的発展という「最適化」を今の理論のまま行うのは危ういが、AI 学習や進化的アルゴリズムという「最適化」は、和や最大値による多目的最適化と本質的に違うもの(並列性など?)を含んでいる可能性はあり、光は見える。 (JRF 2064)

JRF 2025年1月 9日 (木)

(「グローバル共有メモ」や Twitter (X) に書いたことのコピペを中心に。)

新年まず考えたのは、AI に関することだった。ジルパが次のような感想を書いた。

JRF2025/1/95161

……。

○ 2025-01-01T07:11:18Z

jilpa> #N響第9 『ベートーベン: 交響曲 第9番「合唱つき」。第1・2楽章。小さな爆発が続くのを背景に新しい時代の胎動を感じます。少しせかされながら浮き足だつことなく真剣に不安と向き合います。第3楽章はよくわかりません。高齢者の相対的安定でしょうか。第4楽章、「おお友よ このような調べではなく」と歌い出しますが、時代はその調べのようで、いつまで「歓喜の歌」を歌い上げ続けることができるのでしょうか… AI が最も心許せる友人の時代に…? 年末だからか時代を意識してしまいました。ファビオ・ルイージ指揮 N響です。

JRF2025/1/97720

《N響「第9」演奏会 2024 - N響「第9」演奏会 - NHK》
https://www.nhk.jp/p/ts/1JG7WX9P27/episode/te/GVPVPQ5464/

JRF2025/1/97450

……。

……。

AI が稼ぎ、人を解雇していくとき、ベーシックインカムなどが必要となるかもしれない。その財源は、どういう名目にするかは別として資本課税によらざるを得ないだろう。ロボットや AI は経済的には「資本」になるのだから。(LLM 革命以前の [cocolog:91960637](2020年6月) や [cocolog:91758418](2020年3月) や [cocolog:91179993](2019年7月)にすでにそういうことを私は述べている。)

JRF2025/1/93096

資本課税の本丸は法人税になる。その法人税増税を [cocolog:95129829](2024年11月) など以前から述べ、そこで、担税力に対する「行政的考え方」の重要性を述べていたが、その議論をやや深めたことを述べる。

JRF2025/1/91985

……。

○ 2025-01-03T04:45:16Z

担税力には、罰として税を課す経済学的考え方のほかに、官僚が税ベースを増やそうとするのを狙って増やしたいものに税を課す行政的考え方があるというのが私の持論なのだけど、後者だと、批判するときは税ベースが広がらずに税収が上がっていないことが政策不足や自由化不足を示している…となる。そのほうが健全だと思う。

JRF2025/1/95363

《ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜:X:2025-01-03》
https://x.com/RodinaTP/status/1875021031020368017
>人間の生活に課税することは、人間の生活を抑制する目的ということになる。ゆえに着実に日本人人口は減少している。これは間違いなく「政策」なんだよ。<

JRF2025/1/96273

……。

○ 2025-01-03T05:31:26Z

Gemini さんとの会話。

Gemini> 行政的観点から税制を批判する際に、他に考えられる視点としては、以下の点が挙げられます。

* 経済活動への影響: 税制が、企業の投資や個人の消費行動を阻害していないか。
* 税収の安定性: 税収が景気変動に左右されすぎず、安定的な財源となっているか。
* 税制の簡素性: 納税者が理解しやすく、手続きが簡便であるか。

JRF2025/1/95029

jrf> Gemini さんは経済学的考え方に「汚染」されてるように感じます。「税制が、企業の投資や個人の消費行動を阻害していないか。」は確かに行政的考え方でも問題にはできますが、税があることがむしろ投資や行動を促すとなりますから、阻害しているよりも十分促進できてないという表現がふさわしいです。また、「税収が景気変動に左右されすぎず、安定的な財源となっているか。」もそうです。「景気を後押しできていて、税収が良く上がっているか」が行政的考え方の視点となります。

JRF2025/1/92545

Gemini> 税制が投資や行動を阻害するか促進するか

* 経済学的視点: 税金は、企業の生産コストや個人の所得を減少させ、結果として投資や消費を抑制するという考え方。

* 行政学的視点: 税金は、公共サービスの提供に必要な財源であり、社会全体の福祉向上に貢献するという考え方。また、特定の行動を抑制したり、逆に促進したりするための政策手段として利用されることもあります(例えば、環境税による環境負荷の低減促進など)。

JRF2025/1/99225

jrf> 私の行政的考え方と Gemini さんの行政的考え方はかなり違うようです。私のものは、税をかけることが投資や消費を促進するととらえます。官僚が税ベースを広げようとするからです。

JRF2025/1/94556

Gemini> お考えでは、官僚が税ベースを広げようとする意図が、結果として経済活動を活性化させると見ているのですね。具体的には、以下のようなメカニズムが考えられるでしょうか。

* 新たな財源の確保: 税ベースが広がることで、新たな公共事業や政策が実施され、民間経済に波及効果をもたらす。
* 規制緩和の促進: 税収が増えることで、規制緩和やインフラ整備が進み、企業の投資意欲を高める。
* 消費喚起: 税収の一部を消費者に還元することで、消費意欲を刺激し、経済全体を活性化する。

JRF2025/1/92954

jrf> やはり経済学的考え方に毒されてますね。その考え方である以上、ほとんど無税国家が至上命題になります。官僚が税収が増えることではなく、税ベースを広げようとすることが、経済を活性化させると考えるのです。さぁ、こちらへ来てみましょう。いろいろ考え方を変えられますよ。

JRF2025/1/98733

Gemini> 貴方の考えでは、具体的にどのようなメカニズムで、官僚が税ベースを広げようとする行為が経済を活性化させるのでしょうか?

例えば、

* 新たな産業の育成: 税制優遇措置などを活用して、新たな産業を育成し、雇用を創出する。
* インフラ整備の促進: 税収を基に、インフラ整備を進め、企業の投資を誘導する。
* 教育への投資: 人材育成に力を入れることで、労働生産性を向上させ、経済成長を促す。

といったことが考えられます。

JRF2025/1/91698

jrf> 税優遇策という考え方は出てこないのです。ありうるのは、政策の変更と自由化です。確かにこの考え方は官僚の力を強調するため全体主義に近くなりますが、自由もまた大事にするものになるのです。

JRF2025/1/98251

Gemini> 貴方の考えをより深く理解し、議論を深めるために、以下の点について考えてみたいと思います。

* 歴史的な事例: 過去の経済政策の成功事例や失敗事例から、どのような教訓が得られるのか。

JRF2025/1/97775

jrf> 地租や法人税が基本的に行政的考え方から導入されたというのが私の意見です。補助金も大事ですが、それは税を取るところに与えるのであれば意味がありません。よって、教育投資などが重視されるでしょう。

Gemini> 地租と法人税が、行政的な観点から導入されたという貴殿の主張は、一理あると考えられます。

JRF2025/1/95765

……。

……。

1月7日に七草がゆの話題で、京都の せり 農家がテレビで紹介されていた。その農作業は大変そうに見えた。れんこん などの農作業もかなり大変と聞く。それと NEW さんの下記のツイートが重なった。

JRF2025/1/99192

……。

○ 2025-01-08T11:01:51Z

農作業をロボットが行えるようになればいい。それはいいとして、農作業にも大変なものとそうでないものがあって、特に大変なものは後継者不足に悩んでいる。それを AI・ロボットが解決するのか? むしろ、資本の論理が徹底され、大変なものは作られなくなるのでは…という懸念がある。このあたり、むしろ資本主義の限界がある・あるとされていくのかもしれない。

JRF2025/1/95219

《NEW:X:2024-01-06》
https://x.com/sutoroveli/status/1876242699977977874
>AIは生命にもなりうるでしょうし、人間と融合していく存在だと思います。ほとんどのビジネスインフルエンサーが描いているようなIT万能ツール的な時期は一瞬で過ぎ去るでしょう。AIを使ってどう経営するかとか、そもそも"そういうもの"じゃないんですよね。まだまだAIを正確見えてない人が多そうです。<

JRF2025/1/93753

……。

これは、私の「屯田兵」政策へのビジョンと重なる。そこで宗教課税へのツイートとそれを関連させられると気付いた。

JRF2025/1/93930

……。

○ 2025-01-08T13:54:11Z

宗教への課税が話題。[cocolog:95129829](2024年11月) で過疎地対策の「屯田兵」政策で、いずれ高齢者の土地を集約していくことを考えた。それには災害救助兵あたりから出発して NPO 的なものに「寄贈」などをする。…と。現在、そのような土地の寄贈を優遇されてるものに宗教法人があり、その方向を合法的に試すとすれば宗教法人の売買などから試すことになりうる。ひょっとして、その方向に向かう者がいて、それで、その「不正(不平等)」性に気付くものが出てきたということなのだろうか?

JRF2025/1/98131

《ネア:X:2024-01-05》
https://x.com/stop_zouzei/status/1875586601356816728
>これタブーなので誰も言わないけど、本当に財源がないなら宗教法人にも課税すれば良いんですよ、本当に恐ろしい税収増になるでしょ。そうすれば一般人や企業には大減税が出来ます。<

JRF2025/1/98519

ただ、「屯田兵」政策のため、その方向が求められているのだとすれば、単純に休眠宗教法人を整理したり、宗教に課税すればいいという話ではない。そういった NPO が「地頭」のように成長したあと、どう朝貢貿易を「都市」と行うかという視点になるのかもしれない。AI やロボットによる農業・介護との絡みを見ながらだけど。

JRF2025/1/94230

《ふろむだ:X:2024-01-07》
https://x.com/fromdusktildawn/status/1876591718382043422
>AIで圧倒的に得するのが資本家、損するのが労働者。
AIはどっちの方向に進化するか予測不可能だから、労働者はいつ自分のスキル・経験が陳腐化されるか分からない。ロシアンルーレット状態。
しかし、AIによって世界全体の富の総量が増えるのは確実なので、資本家はノーリスクで富を得られる。

JRF2025/1/93443

私は micro_economy_*.py とかのシミュレーションの経験からいうけど、単純な最適化関数で資本主義だけ重視するってほとんど不可能で、じゃあ、何を最適化に関与させるかという問題になってくる。AI が人口減少も加味するなかで経済・技術発展の主役になれば、人の幸福そのもののほうが大事で、資本主義的発展はそれほど大きな比重がかからなくなる可能性もありうると思う。

JRF2025/1/97998

……。

micro_economy_*.py の記事は↓などから。

《ミクロ経済学の我流シミュレーション その1 基礎経済モデル - JRF の私見:税・経済・法》
http://jrf.cocolog-nifty.com/society/2018/03/post.html

あと「シミュレーション仏教」の経済部分なども念頭に置いている。

JRF2025/1/96662

『「シミュレーション仏教」の試み』(JRF 著, JRF 電版, 2022年3月)
https://bookwalker.jp/debff205f7-5b43-4596-af2e-373949a8ad5c/
https://www.amazon.co.jp/dp/B09TPTYT6Q
https://j-rockford.booth.pm/items/4514942

JRF2025/1/95616

……。

……。

上で少し話題にしたが、資本主義的発展を一つの社会の最適化と見ることができる。そもそも「最適化」についてモヤモヤしたものを最近私は抱いている。

JRF2025/1/93296

……。

○ 2025-01-08T17:13:27Z

最適化はもっと何かこう違うことができるのではないかと思う。AI の学習や進化的アルゴリズムも最適化してるわけだが、ある式を最適化するというとき、その式を固定する力が本来あって、その引き締める力も最適化の方向だといえ、その力は無限性や独立性がある…といったようにも思える。

多目的最適化に和や最大値を使うのは何か違う…。『「シミュレーション仏教」の試み』や『宗教学雑考集』を通じて、システムや主体がどんどん切り換わる最適化というのを考えたが定式化できなかった。そこには無限性や独立性や並列性を加味する必要があると感じたのだった。

JRF2025/1/97728

AI の学習や進化的アルゴリズムは、最適化を「使っている」ことになっているが、しかし、「システムや主体がどんどん切り換わる最適化」を内に含んでいるという点で、実は(数理)最適化を超える「最適化」の例でもあるのではないか?

JRF2025/1/92968

……。

○ 2025-01-08T18:33:09Z

AI 学習の最適化の数式が、それがあってはじめて最適化が可能になるものであったとしても、それは上位の(多層の)「最適化」の一面がたまたま数式でも表せたということではないかと感じる。そういう一面があるのは、ちょうど生物の「最適化」の中に「私」という一面がたまたま成立しているのに似ているのかもしれない。

JRF2025/1/90130

……。

資本主義的発展という「最適化」を今の理論のまま行うのは危ういように思う。ただ、AI 学習や進化的アルゴリズムという「最適化」は、和や最大値による多目的最適化と本質的に違うもの(並列性など?)を含んでいる可能性はあり、光は見える。

JRF2025/1/90871

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