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星新一さんのショートショート集(短編小説集)『ボッコちゃん』『ようこそ地球さん』『午後の恐竜』を読んだ。『午後の恐竜』は子供のころ持っていた本。大人になって読んでみても、さすがにおもしろかった。 (JRF 2890)

JRF 2025年6月19日 (木)

(グローバル共有メモと Twitter (X) に書いたことのコピペ。)

JRF2025/6/195287

○ 2025-06-10T17:03:34Z

星新一『ボッコちゃん』を読んだ。著者の没年は1997年だが、1971年時点の自選ショートショート集。さすがにおもしろい。

『ボッコちゃん』(星 新一 著, 新潮文庫, 1971年5月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00BIXNJOW

JRF2025/6/196948

小学生か中学生かのころに著者の本を少しだけ読んだことがある。もう忘れたが。[cocolog:94035560](2023年2月)には、子供向け角川つばさ文庫の星新一の小説集『まぼろしの星』『宇宙の声』『きまぐれロボット』を読んだ。星新一 訳『フレドリック・ブラウン傑作集』を読んだこともあった([cocolog:93252910](2022年1月))。

角川つばさ文庫と重なる部分もあったか少し読み覚えのある話はあったが、総じて新鮮な気持で読めた。

いくつか印象に残った話について。

JRF2025/6/190853

「おーい でてこーい」は、フジテレビ『世にも奇妙な物語』で短編ドラマ化されていたのをよく覚えている。1992年とずいぶん前なんだね。星さんが原作だったか。東日本大震災が起こる前の、核廃棄物に対する信仰的な恐怖を思い起こさせる。

「月の光」は、叙情的な作品という理解で正しいのだろうか? 美しくはかない「ペット」…。後味が悪いが、私が気付いてない裏の意味とかはないのだろうか?

「包囲」。かなり笑った。数学的ネタ。

「鏡」。悪魔とはどのようなものか、という哲学的思索に導く作品。

JRF2025/6/197524

「肩の上の秘書」。代弁するインコは、現代の LLM を思わせる…。誰かが肩の上のインコにしゃべらせるみたいな形容をしていたが、ここから取っていたのか。

ちなみに Gemini さんにオススメを聞いたら、この本の中では「おーい でてこーい」と「生活維持省」を挙げた。後者はディストピア物の傑作ではあるが、AI さんがそれを指定するとは…。(^^;

JRF2025/6/190091

……。

○ 2025-06-15T19:02:10Z

星新一『ようこそ地球さん』を読んだ。1961年6月以前の作品を集めた著者の初期作品集にあたるものらしい。

『ようこそ地球さん』(星 新一 著, 新潮文庫, 1972年6月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00BIXNJNI

JRF2025/6/194058

前読んだ自選集『ボッコっちゃん』に選ばれなかったものを集めたものという性格があるので、若干話の出来は劣るのだろう。確かに『ボッコっちゃん』のほうが光るアイデアがあったように私は感じた。SF にヒトダマや幽霊がでてくるのを嫌う人もいるだろうな…。

個々の作品について…語りたかったのだが、Kindle の不具合のせいか、前のほうのハイライトが消えてしまったらしく、最後のほうの作品についてだけ。

JRF2025/6/194966

「食事前の授業」…これがオチがよくわからなかった。途中ヌケがあるのではないか?

「信用ある製品」…「矛盾」の故事の話。以前の「ひとこと」にこの作品への言及がある。

JRF2025/6/194742

[cocolog:92396511](2020年12月)
>>商人は言った「できるものならやってみな」。矛と盾を近付けるには非常に力がいるようになった。それでも突こうとしつづけると光が発し、矛と盾は無限に大きくなるかのようになった。まるでそこが特異点になったかのように…

…みたいなことを考えたことがあった。どこかに書いた気がするが見つからない。

でも、似たことはすでに考えられているんだね。

JRF2025/6/191358

>「参」では、商人を除いた地球全員が死滅するというオチになっていた。(…)参: 星新一「信用ある製品」(『ようこそ地球さん』新潮文庫)<(三浦俊彦『論理パラドクス 勝ち残り編』p.199)

さすが星新一!
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JRF2025/6/196379

……。

○ 2025-06-18T16:11:49Z

星新一『午後の恐竜』を読んだ。やや長めのショートショート集。『ボッコちゃん』ほどではないが『ようこそ地球さん』よりはおもしろかった。子供のころ、持っていた本。

『午後の恐竜』(星 新一 著, 新潮文庫, 1977年5月)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00NSE0J24

JRF2025/6/190536

小学生か中学生のころ、この本を持っていて、でもなかなか読めなかったことを覚えている。一冊を読みきることが当時の私には難しかった。「午後の恐竜」のオチは覚えていたが、あとはほぼ記憶になかった。

なお、この文庫は、1968年に早川書房より刊行された21編からなる同名のソフトカバー本を文庫にする際にその前半11編を取ったものらしい。私が持っていたのは文庫本だったはず。

この本で私がいちばんおもしろかったのは、「幸運のベル」かな。いかにもオチが読めそうでありながら、オチを読めずうならされた。

JRF2025/6/199341

あと、「エデン改造計画」の宗教の描写は興味深かった。>ここの住民たちも、宗教らしきものを持っていはいる。だが、いたって簡単なもので、要約するとこうなる。生あるものは、いつかは死ぬ。死ねばもっといい世界に行ける。しかし、なにも急いで生かなくてもいい。なぜなら、そこは収容能力が十分なので、おくれていってもなんの損もない。<(p.12)…というもの。現状に満足している「エデン」の住民たちを死に急がせないにはそれで十分らしい。この点、『宗教学雑考集』を書いた私は考えさせられた。

JRF2025/6/198967

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